競艇選手は自分で整備する -

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競艇選手は自分で整備する

競艇や競輪など、そんなに興味はなかったのですが、TVで競艇選手の特番をやっていてレーサーが鋭い眼差しで、「どのレースも命を賭けてやっている」の言葉に思わず見入ってしまいました。
レースはもちろん選手個人の戦いですが、驚いたことに競艇場内でのボートの整備や調整などは自分自身でしか行えないそうです。
アドバイスは許されていますが、他の選手や整備士が直接的に整備・調整をすることは禁止されているそうです。

レース開催期間中は主にエンジン等の整備などに時間をかけて、体重管理・体調管理に気を配って、眼鏡、コンタクトレンズの使用は認めないので、視力低下にも気を配らなければならない。
プロフェッショナルな言葉が次から次へと続きます。
開催期間中は開催競艇場から外出することも禁止で、電話などで家族も含めて外部の人と接触することもできない。
これはギャンブルにまつわる不正行為防止のため、選手は携帯電話等も手元に置いておけない仕組みになっているそうです。

開催期間外は、普通の人と同様に、競艇場の外の人々と接することが可能なのですが、過ごし方は選手によって差があり、良い成績を出すためにプロペラ(スクリュー)の研究や加工に多くの時間をかけるのは当然だと言う。
この話を聞いた時に、どの世界も一流と言われるトッププロの話は凄いなぁ~といまさらながら感動しました。

命がけほどでは無く、レベルは違いますがグラフィックデザイナーも昔は道具は大切にしました。


●新品の筆を買った時に、毛先の調整に、マッチに火をつけて消して直ぐ、
 その頭を筆先に近づけてわずかに焦がして削り調整しました。
 ハサミなどではできない微妙な調整です。

●筆の洗い方も、筆洗でジャブジャブなんてとんでもないです。
 次に使う時のためにも細心の注意を払って洗い、毛先を丁寧に揃えて置きます。

●プラスチック製の溝引き定規よりも竹製のものがガラス棒の滑りが良かったので、
 竹製のものを買い、溝引きの定規の溝が少し浅いので、
 ペンを半分に折って、それで定規の溝を削って、使い易い様に調整しました。
 竹製の溝引き定規は買う時から選別の注意が必要でした。

●烏口も買った時のままでは極細の線を引けませんので、
 極細に引ける様にと自分で砥石で研ぎました。

●ポスターカラーの混色をする時に筆で混ぜ合わせると気泡が入り、
 広い面を塗った時に白い斑点ができるので、中指で混ぜ合わせました。


例を上げるとまだまだいっぱいありますが、何もかも自分で調整する技術を先輩から伝授されたり盗んだりして覚えたものです。正に職人の気質と技です。
この様に、自分で使う道具と繊細に接するので、0.1mm単位の文字のカーニングなども自然に理解でき、身につく様になったのでしょう。

職人を下げすむ若い、軽いデザイナーもいますが、グラフィックデザイナーが色々な職人の技に支えられていることも知らないで簡単に下げすむことはどうかと思います。
一流のデザイナーほど職人技の凄さをよくご存知です。

いまのグラフィックデザイナーの道具はMacです。
でも、どうしてあんな乱暴な使い方をするのだろうと常日頃思います。
壊れたらマシーンのせいにしたり、ソフトやメモリ不足のせいにする。
道具をちゃんと使いこなすことは、道具のことをよく理解することです。
ちゃんと稼げる様になれば、壊れても新しい物を買えるのですが、新しい物が使い易い訳でもなく、使い慣れた道具になるまで愛情を持って大切に育てましょう。

デザイナーだけでなく、一流の人は道具を大切にします。
道具を大切にするから一流になれたのかも知れません。
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