「ゲラ」とは何? -

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「ゲラ」とは何?

校正刷りのことを「ゲラ」と言うベテランの方もいらっしゃいますが、若いデザイナーの方のために「ゲラ」のことをもう少し詳しく書きます。
主な印刷の版式には,凸版(活版)、平版(オフセット)、凹版(グラビア)、孔版(シルクスクリーン)の4方式があります。

ヨーロッパでは1445年頃にドイツのグーテンベルクが世界で初めて活版印刷を発明したとされているが、中国や朝鮮が先行していると言う説もあります。
日本では明治時代の初めに、本木昌造により活版印刷の導入に成功し、その後は活版印刷が文字印刷の主流になっていました。
活版印刷は文字の部分は活字を並べて組版をし、写真やイラストや活字に無い特殊な書体などは凸版を作って、凸部にインキをつけて紙に直接転写する印刷方式です。

活字の文字組を入れる長方形のお盆(箱)をゲラ(galley)と言います。そのお盆(箱)にインテル(込物)などとともに、1本1本活字を植える様に並べることを植字と言います。
ゲラには、組みゲラと置きゲラの2種があります。
組みゲラは,植字作業に用いるもので、すべて木製のものと,底が黄銅製のものとがあり、組みゲラに入れたまま刷った校正刷りのことをゲラ刷りと言います。

置きゲラは,取りゲラともいい,組み上がった版を運搬あるいは保存するためのものです。

ゲラ
 ▲ゲラ

まとめますと、「ゲラ」とは「ゲラ刷り」を略した用語です。植字したお盆(箱)を校正用印刷機に載せて印刷した校正刷りのことを「ゲラ刷り」言うのですが、オフセット印刷も含めた全ての印刷物の校正刷りのことをゲラと言う人もいます。
正確には違いますが、ゲラと言われたら校正刷りのことだと思ってください。


また、カンプのことをゲラと言う人もいると言う話は聞いたこともありますが、これはおかしいと思います。
校正刷りは間違いがあるかをチエックするもので、カンプは仕上がり見本ですので目的が違います。

katuji

日本では漢字の数の多さから、たくさんの書体の各サイズの活字をつくることはもちろんですが、多くの活字を置く場所も広いスペースが必要でした。
そこで登場したのが写植です。
写真植字は、1924年(大正13年)に石井茂吉氏(後の写研)と森沢信夫氏(後のモリサワ)によって発明されました。
約90年弱の歴史はありますが、1970年代から1990年代の約30年間が写植全盛時代と言っても良いでしょう。
1972年(昭和47年)に第一回石井賞創作タイプフェイスコンテストで一位入賞の中村征宏氏の「ナール」やその後発表された「ゴナ」は、それまでの印刷用書体の概念を破るユニークな書体として一世を風靡しました。
その後も、同コンテストから次々と優れた新書体が誕生しました。


活字時代はかなり長かったのですが、和文としてはこの画期的な方法の写真植字もDTPの台頭でいまでは、ほとんど使われなくなりました。
長くデザイナーを続ける人の中には、写研書体のデジタル化を待ち望んでいる方も少なくないです。
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