オーバープリントと乗算の違いについて -

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オーバープリントと乗算の違いについて

Illustratorの「オーバープリント」と透明効果の「乗算」は同じ様な結果になりますので同じだと思うかも知れませんが、処理的には全く異なったもので、結果も違う場合もあります。
「乗算」は不透明度の%設定によって変わり、もちろん「通常」と「乗算」でも結果は変わります。

「乗算」は透明なカラーセロファンを重ねた様な効果です。同じ色の透明なカラーセロファンを重ねても色は濃くなりますが、K=70%の上にK=70%のオブジェクトを重ねて「乗算」にしてもKの100%以上はありませんので当然、K=140%にはなりません。
140%にはならなくても100%にはなるだろうと思いますが、なぜか?K=91%です。

k30

「オーバープリント」は前面オブジェクトと背面オブジェクトの配色によってはノセの効果が得られません。
「オーバープリント」は別名「ノセ」とも言い、透明インキの重ね刷りのことですが、同じ色を%を変えて載せても色は変わらないのです。
例えば、K=60%の上にK=30%のオブジェクトを乗せ、「オーバープリント」設定をしても上の色はK=30%のままで「通常のノックアウト」と同じです。
K=60%の上にC=30%のオブジェクトを乗せ、「オーバープリント」設定をすれば重なった所はK=60+C=30になり「乗算」と同じになります。
「表示メニュー」の「オーバープリントプレビュー」で確認できます。

ober

上図のように背面にM=100%のオブジェクトがあり、前面のオブジェクトC=100%の場合は、透明効果となる「乗算」も「オーバープリント」も同じ透けたイメージになりますが、前面のオブジェクトに背面の色が1%でも混色すれば、「通常のノックアウト」と同じ結果になります。

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上の図で一番上の色が特色(プロセスカラー以外の色、DICなど)の場合は、イメージ通り「乗算」と同じ結果になりますが、
プロセスカラーのオブジェクト間のオーバープリントにおいては、上にある方のオブジェクトのCMYK各版の個々について、その値が仮に0%であった場合には下にあるオブジェクトのCMYKの値が活かされ、そうでない場合には上のオブジェクトの値が活かされるという処理になります。つまり、オーバープリント属性があるか、無いかの違いは、0%を「透明」と扱うか、「白」と扱うかの違いです。したがって、0%でない値、たとえば1%でも値をもっていれば下地の色は活かされないことになります。

abc

例えば、C=100%の上にM=100%の文字を置き、オーバープリント設定すると重なった箇所はC=100%+M=100%になります。しかしC=30%+M=100%の文字にするとオーバープリントが適用されません。1%でも下の色を混色するとオーバープリントが適用されません。右はM=30%+Y=100%の文字ですが、Cが含まれませんのでオーバープリントは適用されます。
オーバープリントプレビューで確認すると分かりますが、CMYの色にオーバープリントをすると、意図しない結果になる場合があります。
この様な作業は「乗算」でやってください。と言いたいのですが、透明を使うとトラブルが起きると心配な方は、オブジェクトを分割して各パーツに自分のイメージする色を塗るのが一番無難です。
MACによるDTPになる前はオーバープリント(ノセ)以外は全て各パーツにデザイナーが頭の中で考えた色を入れていました。
乗算は画像の合成やバックの色にドロップシャドウの影を掛け合わせる以外は使わないのが無難だと思います。
単純なパーツの配色に透明の「通常」や「乗算」をたくさん使っているのを時々見かけますが、便利になると思考能力が・・・・・大丈夫かな、世の中変わったなと考え込んでしまいます。

nose

小さなスミ文字のオーバープリントについて
バックにオブジェクトがある場合、スミ100%の文字は基本的にオーバープリント(ノセ)にしてください。本文のような小さなスミ文字をオーバープリント設定をしないでノックアウト(ヌキ合わせ)にしてしまうと、わずかな版ズレでも文字と背景の間に白い隙間ができてしまい、ほとんど読めなくなってしまい、クライアントは印刷不良品として受け取ってくれない場合もあります。この問題は印刷会社の責任ではなく、制作した側の責任です。
Illustratorでオーバープリント設定をしない場合は、ノックアウト(ヌキ合わせ)になってしまいます。
プリンターではチェックできませんので絶対に忘れないでください。


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