ゼロから創る精神

世の中が便利になって気になることがあります。
Net上で検索するといろいろなものが直ぐに見つけることができ、とても便利です。
イラストや写真、パターンなどデザイン素材のサイトもたくさんあります。
フリーフォントや毛筆書体なども簡単に見つけられます。
有料であれば更にレベルの高い素材もあります。
心配なのはデザイナーを目指す人の中にこれらを使うことが当然の様に考えている人がいることです。
ロゴを創る場合も既成のフォントをデフォルメすることがロゴを創ることだと勘違いしている人もいます。
確かに既成のフォントをアレンジする方法などを紹介した著名なデザイナーの解説本もあります。
私がMACデザインアカデミーで教えていた頃、課題作品の素材を遠くまで自分のカメラで撮影に行く生徒も珍しくはありませんでしたが、中には一泊して京都まで撮影に行って来たという生徒もいました。
経済的にゆとりのある人にしかできなく、誰もができる訳ではないかも知れません。
しかし一流のデザイナーを目指すならば何かを犠牲にしたり節約して自分の作品のためにお金を使う気持ちや「ゼロから創る」ことで真のオリジナリティを追求する精神は持って頂きたいです。
もちろんプロのデザイナーになればプロのカメラマンやプロのイラストレーターといっしょに仕事をしますので自分で撮影したり、自分でイラストを描く必要はないかも知れません。
Net上の素材を使うと大変なことにもなる場合もあります。
ライバルのクライアントが偶然に同じ素材を使用する場合もあるかも知れません。
これからデザイナーを目指す人はもっと「ゼロから創る」考えを強く持って欲しいものです。
デザイナーとして就職をした場合、予算や納期の制限で「ゼロから創る」ことが難しくなることの方が圧倒的に多いです。
せめて学生の時やデザイナーを目指して勉強中の間だけでも「ゼロから創る」を基本に制作して頂きたいものです。
時間がかかって遠回りしているようでも本物になるにはそれしかないです。
年寄りのお節介でした。
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2014-07-31 │ アート・デザイン │ コメント : 0 │ トラックバック : 0 │ Edit