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オフセット印刷

印刷様式には、「凸版」「平版」「凹版」「孔版」の4つ版式があります。
オフセット印刷は、その中の平版印刷のことです。私たちが目にするほとんどの印刷物はオフセット印刷です。
オフセット印刷の最大の特徴は湿し水(しめしみず)を用いる印刷方式です。つまり油性のインキと水が反発する特性を利用した印刷方式です。

オフセット印刷の大半が平版(へいはん)を用いているため、オフセットと言えば平版オフセット印刷のことを指すようになりました。略して「オフセット」や「オフ」と呼ばれることもあります。4色のオフセット印刷を「4度のオフ」、2色のオフセット印刷を「2度のオフ」とも言います。なぜ「4度」と言うかは、昔の印刷機は1色機しかありませんでしたから、用紙を「4度」印刷機に通すから「4度のオフ」と言います。

多色印刷機で2色以上を連続的に印刷すると、1色の印刷直後にまだそのインキが乾かないうちに次の色を重ねて印刷した場合、いろいろなトラブルを起こす原因にもなっています。
CMYKの4色カラーを枚葉オフセットの「4色機」で印刷する場合、クイックセット・インキを用いても片面印刷後はインキ面がべとつくので、反対面の印刷のために最低30分位は空気中に放置しなければなりません。
そのため印刷枚数にもよりますが、両面印刷が終るまで最低1日~2日を要します。
納期にゆとりが無い場合は、高価ではあるが両面4色同時に印刷可能な「4色両面印刷機(8色機)」が利用される場合もあります。
インキが乾くのに時間がかかりますので、真っ黒にしたいからと「CMYK」を全て100%にすることは絶対に止めましょう。総インキ量が多すぎると、トラッピングと言って、ブランケットに転写したインキが版に戻ってしまいます。
総インキ量は350%を超えては駄目です。リッチブラックと言われる真っ黒な「黒」をつくるのは、個人的には、C=30+M=20+Y=20+K=100をお勧めします。(昔のリッチブラックは、C=30+K=100でした。)

また、多色印刷の場合、2色機でも多色機でも色の印刷順序があります。
近年DTPが普及してから、「CMYK」4色(プロセス・カラー)と言いますが、昔は「YMCK」と呼んでいました。
色指定も、Y=30+M=20+C=20+K=100などと表記しました。
この呼び方は、印刷の刷り順を表す意味です。

DTPで制作するようになってから「Y」と「C」の順序が入れ替わってしまいました。
昔の「イエローインキ」は透明度が少なく、ほとんど不透明であったことやイエロー版の網点面積が一番多いことから、「Y(黄)」を先刷りする方法をとっていました。不透明な「Y」を後刷りすると先刷りの「C」や「M」の色が沈んでしまうため「Y」を最初に刷っていました。
今では「Y」インキの透明度が高くなったので「CMYK」の刷り順で大丈夫です。

次回は、いま注目の「水なしオフセット」についてです。
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