「光と影の巨匠」レンブラントを見てきました。

上野公園の国立西洋美術館で開催されている、レンブラント「光の探求│闇の誘惑」を見て来ました。
「光と闇」の明暗表現が特徴のレンブラントの作品は、いままで印刷物でしか見ていませんでしたが、実物を見る事ができて本当に良かったです。
デザインも絵画も、どんな作品も実物は作者のこだわりや空気感が伝わります。
油彩作品の明暗表現も見事ですが、今回はエッチング作品の巧みな線の明暗表現だけに終わらない紙へのこだわりに色々学びました。
レンブラントの多くのエッチング作品では、「洋紙」と「和紙」で刷られた作品を並べて展示してあり、その対比も大変興味深く見る事ができました。銅板の実物も一部、見る事ができました。
通常の印刷でも「コート紙」と「非コート紙」では全く色も風合いも違いますが、この時代にエッチングで紙を変える発想が凄いです。

その当時、「和紙」は非常に高価な紙でしたが、レンブラント自身も「和紙」を好んだ様ですが、そのコレクター達も高級な「和紙」によるエッチング作品を買い求めた様です。
エッチングとは思えないほどの繊細なグラデーション表現も「和紙」で刷った物の方がより柔らかなグラデーションをつくり出していました。
また通常、銅版画の明暗は線の細かい積み重ねや交差によるものですが、それに加え「ドライポイント」と言われる銅版を削った時に残る金属のささくれを故意に残すことで、グラデーションをより柔らかな深みを出す工夫など、レンブラント特有のこだわりの技法にも驚き感動です。
上野公園の国立西洋美術館で6月12日まで開催中。
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2011-04-29 │ 色彩 │ コメント : 0 │ トラックバック : 0 │ Edit