写研の「ナール」、「ゴナ」は美しかった。 -

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写研の「ナール」、「ゴナ」は美しかった。

「Webで、写研DTPサービスは終了致しました。」の記事を見つけて、何とも言えない複雑な気持ちです。

写植全盛期において、書体の完成度の高さで、グラフィックデザインや出版分野では圧倒的シェアを誇り、いつか写研のデジタルフォントが発売されると心待ちにしていましたので、本当に残念です。

私も20数年前のDTP以前は、カッターナイフとピンセットで写植の文字を、一文字ずつ切って並べて文字ツメにこだわった人間です。
いまのデザイナーは文字を描かないのだから、せめてあの作業をやった方が文字ツメの感覚だけでなく、文字のつくりなども覚えられるのかとも思います。
ソフトのバージョンアップで自動のツメの完成度もアップしてきましたが、はたしてそれが良い事なのか?
手で詰める感覚は単に文字ツメだけには終わらない感じもします。
文明が発達すると人間の能力や勘は鈍くなる様な気がします。
すみません、話が大きく横道にズレましたので、元に戻します。

写研と言ったら、「ナール」、「ゴナ」と言える程、その書体はデザイン業界に圧倒的に支持されました。
「ナール」、「ゴナ」などをデザインされた中村征宏さんは、その「ナール」で、1972年、第一回石井賞創作タイプフェイスコンテストで一位入賞。
丸ゴシックなのに、単なる丸ゴシックとは違い、それまでにはない字面が大きく「ふところ」の大きい書体で、初めて見た時は、その洗練された美しさには感動を覚えました。
その後、「ゴナ」が発売され、どんどん新書体が発売されました。
その後、中村征宏さんは、日本タイポグラフィ協会顕彰第二回佐藤敬之輔賞も受賞されました。
私にとっては、書体の神様です。

少しだけ横道にズレますが、「ナール」は(ナカムラ+アール)、「ゴナ」は(ゴシック+ナカムラ)です。
他にも「ナミン」「ナカミンダ」「ナーカン」「ナカごしゃれ」「ナカフリー」など「ナ」がついた中村さん制作の書体はたくさんあります。

写研がDTPに参入しなかったことには、それなりの戦略やこだわりがあるのだろうと思いますが本当に残念です。
今でも私は、「ナール」、「ゴナ」を始めとする写研の書体の魅力は、まったく衰えていないと信じ、写植を使ったことのある人の多くは皆同じ思いではないかと思います。

メチャクチャなことを言うなと叱られそうですが、Quark社と協力して写研のフォントを使ったシステムをつくったらどうですか?
まだ遅くは無いと思いますが?
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コメント
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写研フォントがオープン化されますよ

あれ、ご存じないですか?

写研フォントがオープン化され、DTP等で使えるようになりますよ。

第15回国際電子出版EXPO:写研、OpenTypeフォントを年内リリースすると発表
http://www.macotakara.jp/blog/index.php

ナール、ゴナが当たり前だった頃は、特別美しいとも思わなかったんですが、
今改めてその美しさを実感しますね。

InDesignやiPhoneで、あの美しい写研フォントを使える日が、とうとう現実のものとなります。
写研フォントの美しさを生かす文字組みが求められますね。

2011-07-20 14:59 │ from 名無しURL

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